[コラム]医工連携による発明ー電気メスの誕生
- 米国マサチューセッツ州ボストンハーバード大学の脳神経外科医クッシングとマサチューセッツ工科大学の物理学者ボビーが開発し、製品化した。
- 最初の症例は1926年骨髄腫摘出手術で行われ、その後爆発的に普及した。
3種類の手術効果(乾燥・切開・凝固)があり、近代外科手術に貢献した。 - 1965年、米国バリーラブ社が世界で初めてソリッドステート(トランジスター)回路を採用した絶縁出力方式の電気メスを開発し、ハンドスイッチ方式のアクセサリーも商品化した。
※それまでの電気メスは、真空管が温まるまで高周波出力が安定しなかったが、ソリッドステートになってスイッチONで即使用できる。 - 手術で一番多用される医療機器
電気メスは人体に高周波電流を流して、このときの負荷もしくは接触抵抗によってジュール熱が発生し、この熱が瞬時に細胞を加熱し爆発・蒸散することによって切開作用を、細胞の水分を蒸発させタンパク質を凝固させることによって凝固作用をそれぞれ生じさせる。直接電気メスで止血する放電凝固法では直径0.5mm以下の小血管の止血が可能であり、止血鉗子で挟み止血してから血管を電気メスで焼烙する接触凝固法では直径2mmまでの血管の止血が可能であるとされている。 - 昨年8月、大阪の総合病院での未来の外科医(中学生対象)に行った電気メスのセミナー、高周波電流のしくみと鶏肉を使ったデモンストレーションを行う
- 最初に電気メスを作った会社の社名は、開発者の名前にちなんで【ボビー】社です。